工場・倉庫・社屋――見直したい企業不動産の価値

「会社の不動産」を、改めて見直す時代へ

工場、倉庫、社屋、営業所、駐車場――。 企業が事業活動のために所有・賃借している不動産は、「企業不動産(CRE:Corporate Real Estate)」と呼ばれています。

これまで、多くの地域企業では、不動産は「事業に必要なもの」として保有されてきました。 しかし近年では、その考え方が少しずつ変わり始めています。

人口減少や人手不足、原材料価格の高騰、物流環境の変化、事業承継。 地域企業を取り巻く環境が変わる中で、「今ある不動産をどう活かすか」が経営上のテーマになりつつあるのです。

実際、国土交通省でも「CRE戦略」という考え方を示しており、不動産を企業価値向上につなげる重要性が紹介されています。

つまり、不動産は単なる“固定資産”ではなく、“経営資源”として考える時代になってきているのです。

「昔からある」が、今も最適とは限らない

例えば、こんな状況はないでしょうか。

  • 以前ほど使わなくなった倉庫
  • 老朽化した工場や社屋
  • 使い道が減った空きスペース
  • 維持費だけがかかる遊休地
  • 人数に対して広すぎるオフィス

もちろん、不動産は簡単に増減できるものではありません。 また、「将来また使うかもしれない」という考えから、長年維持されているケースも多いでしょう。

一方で、不動産には固定資産税や修繕費、管理費など、継続的なコストがかかります。 さらに、古い建物や使われていない設備が、業務効率や採用面に影響するケースもあります。

特に地域企業では、創業当時に建てた工場や社屋を長年使い続けていることも少なくありません。 だからこそ、“今の事業に合った使い方になっているか”を改めて見直すことが重要になっています。

不動産は「守るもの」から「活かすもの」へ

CREの考え方では、不動産を単なる保有資産ではなく、「経営に活かす資産」として捉えます。

例えば、次のような視点です。

遊休資産の活用

使われていない倉庫や土地を見直すことで、新たな活用方法が見つかる可能性があります。

拠点配置の見直し

工場や営業所の配置を整理することで、物流や業務動線の改善につながる場合があります。

働く環境の改善

社屋や休憩スペースの見直しが、従業員満足度や採用面に影響することもあります。

将来への備え

事業承継や世代交代を見据え、「残す不動産」と「整理する不動産」を考えることも重要です。

ここで大切なのは、「売却すること」が目的ではないという点です。

“今の経営に合った状態になっているか”を考える。 それが、CREの基本的な考え方です。

地域企業だからこそ、考えたい視点

大企業に比べ、地域の中小企業では「不動産=会社の歴史」でもあります。

創業時に取得した土地。 長年使ってきた工場。 地域に根差した営業所。

それらは単なる建物ではなく、会社の歩みそのものとも言えるでしょう。

だからこそ、簡単に「手放す」「建て替える」という話ではありません。 しかし一方で、今後の経営環境を考えた時、“維持するだけ”では難しい場面も増えていきます。

例えば、

  • 人手不足への対応
  • 若手採用
  • 生産性向上
  • 物流効率化
  • 事業承継

こうした経営課題は、不動産の使い方とも深く関係しています。

「会社の不動産をどう活かすか」。 それは、不動産の話というより、“これからの会社経営”の話なのかもしれません。

まとめ|まずは「現状整理」から始めてみる

CRE戦略というと、大掛かりな再開発や投資をイメージされるかもしれません。 しかし、最初に必要なのは、自社の不動産を整理して把握することです。

  • どんな不動産を持っているのか
  • どの程度活用できているのか
  • 維持コストはどれくらいか
  • 将来も必要な資産なのか

こうした現状整理を行うだけでも、新たな経営課題や改善のヒントが見えてくることがあります。

工場、倉庫、社屋――。 “昔からあるもの”としてではなく、“これからの経営を支える資産”として見直してみる。

それが、これからの地域企業にとって重要な視点になっていくのではないでしょうか。

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飯塚甲生 <26年の実績 × 中小企業診断士の専門知識>

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