黒字倒産を防ぐ!中小企業の資金繰り・日繰り実践法― 安定した経営基盤を築くための具体策 ―

1. なぜ「黒字倒産」が起こるのか?

中小企業経営でよく聞く「黒字倒産」。これは利益が出ていても、現金が手元に不足して資金ショートする現象です。

原因の多くは、

  • 売掛金回収が遅い
  • 支払いサイトが短い
  • 突発的な資金需要に備えがない

といった「資金の時間差」によるもの。
つまり、利益とキャッシュフローを混同していることが最大の落とし穴です。

2. 日繰り管理で見える「資金の山と谷」

月次資金繰り表では「今月はプラス」と見えていても、日繰りに落とすと特定の日にマイナスになることがよくあります。

例:

  • 10日:大口仕入れの支払い
  • 15日:給与支給日
  • 末日:借入返済日

このように資金の「谷」が見えるからこそ、事前に資金調達や支払条件の調整が可能になるのです。

 3. 資金繰り改善に効く実務的アプローチ

(1)売上サイドでの工夫

  • 前受金や着手金を取り入れる
  • 請求・回収サイクルを短縮する
  • サブスクリプション型など定期収入モデルを組み込む

(2)支出サイドでの工夫

  • 支払サイトを延長できるか取引先と交渉
  • リースやクラウドサービスを活用し初期投資を抑制
  • 設備投資のタイミングを分散

(3)資金調達の工夫

  • 運転資金用の融資枠を事前に確保
  • ファクタリングなどで売掛金を資金化
  • 補助金・助成金を活用しキャッシュアウトを抑制

 4. 経営支援・営業支援の視点で考える資金繰り

資金繰りは「経理の仕事」と思われがちですが、実は営業活動と直結しています。

  • 営業が無理な支払い条件で契約していないか?
  • 営業サイクルを短縮できればキャッシュインも早まる
  • 高収益顧客を優先的に開拓することで資金繰りが安定

つまり、営業支援と資金繰り改善は表裏一体なのです。

 5. 成功企業がやっている3つの習慣

  1. 毎日のキャッシュ残高チェック
     銀行口座と資金繰り表を毎日突き合わせる。
  2. 3か月先までの資金見通し
     日繰りをベースに、少なくとも3か月先の資金を予測。
  3. 専門家への定期相談
     金融機関や経営コンサルと定期的に情報共有することで、突発的なリスクにも対応可能。

 まとめ

第一弾でお伝えしたとおり、資金繰り・日繰りは中小企業経営の“生命線”です。
そして今回の第二弾では、具体的な実践策と営業活動とのつながりを掘り下げました。

資金繰りの安定は、単なる数字合わせではなく、経営を前に進める推進力です。

資金繰り改善から経営支援・営業支援まで、トータルでサポートします

東海エリア(名古屋・浜松・静岡)の中小企業に特化した経営コンサルティングで、安心経営を実現。

▶無料相談はこちらから受付中!
お問い合わせフォームへ